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「公務員賃下げ違憲訴訟」第9回口頭弁論

政府の誠実交渉義務違反を立証片山大臣(当時)は再度留保に


「公務員賃下げ違憲訴訟」第9回口頭弁論が1月20日に開かれました。国公労連は、昼休みに東京地裁前で行動を実施した後、13時10分からの口頭弁論に傍聴席を満席にして臨みました。この日の弁論では、国公労連の岡部副委員長と総務省平山人事・恩給局次長(当時)の証人尋問が行われ、政府が誠実な交渉を尽くさず、使用者責任を放棄して議員提案の「給与改定・臨時特例法」が成立したことが立証されました。
その後、裁判長は原告10名の証人を採用する一方、全大教の長山証人を却下し、焦点の片山証人の採用については、あらためて原告と被告双方からの意見書を求め、検討することとし、再度留保しました。次回は、2月20日に原告10名の証人尋問が行われることとなりました。
~国公労連速報NO.3012より~



原告10名の証人採用を決定~次回、第10回口頭弁論(2/20)で証人尋問を実施~

13時10分から東京地裁103号法廷で開かれた第9回口頭弁論には、原告と各単組、ブロック・県国公、自治労連、全教、航空労組連、JAL原告団などの仲間が傍聴に駆けつけるなか、岡部証人、平山証人の順に予定時間を超えて17時20分まで証人尋問が行われました。

 岡部証人は、「民主党の公務員総人件費2割削減のマニフェストを実行するために、2010年の人事院勧告の『深掘り』を検討したことに始まり、東日本大震災の復興議論に乗じて提案されたもので、国家権力による一方的な労働条件切り下げ通告と受け止めた」、「財政難を口実にしているが、公務員の人件費がその原因ではなく、情勢適応原則にもとづく人事院勧告を経ない給与減額は憲法28条に違反する」、「歴代政府の政策の検証も政治責任も明確にせず、具体的な根拠や必要性も合理的な説明責任も果たさず、公務員労働者の賃金を削減することは生存権などの権利を蹂躙するもの」、「自律的労使関係制度の先取りといっても現行制度下での交渉であり、仮に合意しても信義則にすぎず、決裂しても対抗手段がないなど『いいとこ取り』だ」などと、政府が誠実な交渉を尽くさず、使用者責任を放棄して議員提案による賃下げ法の成立が強行された経緯について証言しました。
また、被告・国側の「国公労連は、どう説明しても当初から合意する気は全くなかったのではないか」などの反対尋問に対しても、「賃下げ提案には一貫して反対の立場だったが、最後まで交渉を継続すべきと主張し、席を立つことはしなかった」、「国が財政事情を理由とするなら、その原因の解明や再建に向けた政策、公務員賃金にまで手をつけなければならない必要性、合理的な根拠などの説明を尽くすのが当然」など、政府の対応を厳しく批判しました。そして、「公務員の労働基本権に関するこれまでの判例の合憲論の根拠は、人事院勧告という代償措置の存在であったが、それが無視され、高度な必要性も合理性もなく、国民に負担増を強いる露払いとして、政治的な意図をもって立法されたのだから、裁判所はこれまでの判決で述べたことに責任を持って違憲判決を下すべきである」と証言を結びました。
 平山証人は、主尋問で「異例の措置として2011年1月に大臣室で説明を行った」、「通常より多い6回の交渉を実施した」、「大臣との認識は一致している」、「賃下げの内容は内閣官房と財務省、法務省とも調整し、内閣法制局からも合憲との判断をえた」などと、組合とも十分に対応してきたと述べました。
 一方、弁護側の反対尋問で、内閣法制局とやりとりした記録などをなぜ出さないのかという質問に「私はその立場にない」や、公務員連絡会とは事前に予備交渉をしていたが、国公労連とは「記憶にありません」(国公労連とは予備交渉はしていない)など都合が悪いことにはまともな回答しませんでした。また、国公労連が求めていた財政上の必要性について交渉で十分に説明したのかについて「口頭で説明したのではないでしょうか」、さらに追及されると「記憶にない」などと回答不能に陥り、真実を明らかにするにはほど遠いものでした。

加藤弁護士は「今日の証人尋問を経ても片山証人の必要性が何ら低下することはなく、片山証人の採用を求める。また、内閣法制局とのやりとりや予備交渉の文書などの追加提示を求める」と述べました。小部弁護士は「人勧に基づかない初めての賃下げであり、片山証人を呼ばなければ公正な審理とは言えない」と主張しました。
一方、被告・国側は「調べは十分行われたことからこれ以上の証拠調べの必要はない」と述べました。
裁判長は、原告10名の証人尋問を次回に行うとし、全大教の長山証人は却下しました。片山証人については原告・被告からの意見書をふまえ検討するとして再度、留保しました。
次回、第10回口頭弁論は、2月20日(木)10:00から東京地裁103号法廷で行われます。

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片山証人の採用と書面の追加提出を~報告集会

主催者あいさつした国公労連の宮垣委員長は「今日の口頭弁論は、証言した岡部副委員長の独壇場だった。また、弁護団が平山証人を徹底追及し、相手はたじたじだった。名護市長選挙で稲嶺ススムさんが再選したが、名護市長選挙の勝利は安倍政権の暴走を止める第1の矢。第2の矢は東京都知事選勝利、第3の矢は春闘での賃上げ、そして、第4の矢は賃下げ違憲訴訟の勝利だ。賃下げ違憲訴訟は損害回復だけでなく、労働基本権の回復を求めるとともに、民主的な司法・行財政を実現するたたかいでもある。さらに奮闘していこう」と呼びかけました。

弁護団報告で、加藤弁護士は証人尋問をふりかえり、「岡部副委員長は、賃下げがいかに理由がないかということを証言した。また、片山証人の採用は引きつづき留保となったが、『却下する』とまでは裁判所も言えなかった。平山証人が『内閣法制局の審査で承認されて賃下げ法が決まった』という証言があり、やりとりの書面があることも明らかにした。今後、この書面を出させることが重要になる。引きつづき片山大臣の証人採用を追及していく」と報告しました。

山添弁護士は「平山証人は『賃下げの最終的決断は内閣、大臣だ』と証言した。説明できるのは片山さんだけだということを証明した。また、賃下げ法を作るまでに書類がたくさんあることがわかった。①平山さんが総務省の考えをまとめて内閣法制局に出した書類、②内閣法制局が総務省に回答した書類、③総務省が再度見解をまとめた書類、があるのではないか。今後、これらの文書を開示させる必要がある。また、賃下げの合憲の判断基準として4つの要件①人勧を尊重する、②必要性・合理性、③時限性、④職員団体との理解)をはじめて明らかにしたが、国側の平山証人に当事者能力がないことが明らかになった。片山元総務大臣の証人採用を引き続き求めていく」と報告しました。

司法記者クラブでの記者発表を終えてから参加した証人の岡部副委員長は、「全国の組合員のみなさんの思いを胸に、精一杯証言した。十分に伝えることができたなら嬉しい」と述べ、参加者はねぎらいの大きな拍手を送りました。

原告団の全法務大阪法務局支部の田中さんが決意表明で、「原告団の席に座り、気持ちが高ぶった。職場の仲間は賃下げが年度末で終わってよかったと喜んでいるが、まだまだ職場の理解が足りない。今回の裁判で元気をもらった。これからもねじをまいて奮闘したい」、国土交通労組北海道航空支部の五味川さんは「証人として次回証言することになった。仕事が増えているのに、賃金が減らされている。超勤手当がないと手取りは12~13万円しかない。生活が困窮していることを訴えたい」と決意表明しました。

最後に、花岡中央執行委員が、①新たな賃下げ署名のとりくみの強化(12月末現在、個人署名は目標100万で7118筆、団体署名は目標1万で現在100団体)、②賃下げの不当性を訴える宣伝行動への結集、③新聞投書行動のとりくみを呼びかけ、宮垣委員長の団結ガンバローで集会を終えました。
以 上

「公務員賃下げ違憲訴訟」第8回口頭弁論(その2)

10時から東京地裁103号法廷で開かれた第8回口頭弁論には、原告と各単組、ブロック国公などの仲間が傍聴に駆けつけました。前回の口頭弁論や進行協議をふまえ、被告国が申請した平山眞証人(当時総務省人事・恩給局次長)について、原告代理人の尾林弁護士が意見陳述を行いました。要旨は以下のとおりです。             国公労連速報3003より 



【主旨その1:被告申し出の平山眞証人の採用それ自体については、異議を述べない】給与引き下げの必要性・合理性や交渉経緯について、文書で説明されていない点についても、政府の責任ある立場にある者の証言が必要と繰り返し求めてきた。今回の被告国の証拠申し出は、政府の責任ある立場にあった者が本件異例の措置について、法廷で説明すべきであるという裁判所の見解をうけてなされた点で、被告申し出の平山眞証人の採用それ自体については、異議を述べない。

【主旨その2:しかし、被告申請の平山眞証人は、原告らの申請する片山証人に代替することはできない。】
申請した当時の片山総務大臣を含む証人の採用については、その必要性は少しも低下していない。平山眞証人は、行政部局の次長にあったものであり、あくまでも実務担当者に過ぎない。
憲法問題を伴う異例の措置をとったのかという必要性・合理性や原告国公労連との間できわめて短期間・短時間の不誠実な交渉しか行わないまま交渉を打ち切り、政府提出法案の閣議決定・提出に至ったのかなどの本件における核心部分について、とうてい責任ある証言をできる立場にはない。被告申請の平山眞証人は、原告らの申請する片山証人に代替することはできない。

【主旨その3:片山証人を含む全証人の採用をすべきである。】

裁判所においては、平山眞証人の取り調べを経てもなお、憲法問題を含む異例の措置の必要性・合理性、原告国公労連との交渉の態様・期限のいずれの点についても、片山証人の採用の必要性が少しも低下するものではないことをふまえ、片山証人を含む全証人の採用をすべきである。

続いて小部弁護士が、長山証人(全大教書記長)について、「賃下げが独立行政法人や地方公務員にも影響している。本来、国立大学法人は民間と同様、労使関係の中で決定すべきところ、国による賃下げが強行され、現在12の大学が裁判などで争っている。公務員の労働基本権侵害が民間にも影響することを証明するためにも必要」と述べました。
被告・国は、準備書面(5)を提出したのみで意見陳述はありませんでした。
裁判長は、次回に平山証人と岡部証人の尋問をおこなうことを決定し、その他の証人については留保しました。次回、第9回口頭弁論は、1月20日(月)13:10~16:40(最大17:00)に東京地裁103号法廷で証人尋問が行われます。


「公務員賃下げ違憲訴訟」第8回口頭弁論(その1)

「公務員賃下げ違憲訴訟」第8回口頭弁論が12月9日に開かれました。被告・国は、前回の口頭弁論で証人について検討することとなっていましたが、11月27日に交渉当時の総務省人事・恩給局次長の平山眞氏を証人として申し出、また原告・国公労連が提出した学者・研究者の意見書に対する反論を行いました。国公労連は弁護団からあらためて片山証人を含むすべての証人採用を求める主張を行いました。裁判長は申請した証人のうち、国公労連の岡部副委員長と総務省の平山政策統括官を証人採し、1月20日に証人尋問を行うこととし、その他の証人については留保しました。                    国公労連速報3003より


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口頭弁論に先立つ8時30分から行った東京地裁前宣伝行動には、各単組から100名が参加しました。
 国公労連の鎌田書記長は、「震災復興など国民生活にかかわる業務に日々奮闘してきた国家公務員の賃金引下げを強行したことに対し、昨年5月25日東京地裁に提訴してたたかってきた。国家公務員の労働基本権を回復するよう、ILOは8回もの勧告を日本政府に行ってきたが、政府はそれを無視しつづけた。労働基本権制約の代償措置である人事院勧告にもとづかない一方的な賃下げは国家公務員の生活を脅かし権利を蹂躙するもの。提訴から1年半、大詰めを迎える。当時の片山総務大臣の証人採用は不可欠だ。民主的な行財政の確立のため、国民所階層と連帯してたたかっていこう」と訴えました。
 全医労の中村副委員長は「私は看護師で俸給表では医療(三)だが、賃下げ法によって今の賃金は15年前に戻ってしまった。ハンセン病問題基本法では、全国13カ所ある国立ハンセン病療養所の医師、看護師、介護員の体制を強化するとしているが、賃下げにより必要な人員確保ができていない。一日も早く賃下げをやめ、入所者に満足していただけるような体制を作りたい」、全法務の笹ヶ瀬書記長は「国家公務員は2002年に81万人いたのが、2011年には30万人まで削減された。しかし、赤字国債は535兆円から727兆円に増大した。国の財政赤字の原因は国家公務員の人件費ではない。今国会で継続審議となった国家公務員制度改革関連法案は、自律的労使関係の確立、労働基本権回復を先送りにして議論されてきた。国家公務員の権利を侵害する賃下げを撤回させるため、裁判に勝利しよう」、全労働の津川書記長は「労働行政は政府の攻撃にさらされている。ハローワークを民間に売り渡したり、労働時間規制や解雇規制の緩和をする特区創設、労働者派遣法の改悪などが狙われているが、これでは労働行政は守れない。定数削減のもとで、職員は命を削って行政運営を担っている。賃下げ違憲訴訟の勝利めざし、奮闘していく」、全通信の加藤書記長は「東日本大震災で、情報通信の分野でも無線局が流出するなど大きな被害を受け、住民の安全・安心が脅かされる事態となったが、全国の職員の支援で復旧させてきた。このような公務員の働きに目を向けず、国は賃下げを強行した。片山元大臣をはじめとする証人採用をかちとり、違憲訴訟で勝利しよう」と訴えました。

人事院への「賃金抑制」要請は断固認めない!

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