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最近の労働相談から見られる特徴について

労働相談センターの事務局長の話を聞く機会がありました。その特徴的な内容です。主に民間職場の状況ですが、私たち公務の職場にも共通していることが多くあります。一度、考えてみましょう。


【労働相談から見る職場の状況】
1.職場の労働組合の組織率の低下が招いていること
 平成26年6月時点での厚労省の調査による推定組織率は17.7%、女性労働者の推定組織率は12.6%。賃金の底上げ交渉(春闘)が行われていない、労働者のあきらめが労働相談内容ともつながっている(最低賃金問題以外の相談がほとんどない)。長時間労働、残業代未払いが横行し、労働相談の26%を占める(賃金・残業等未払い13,2%、労働時間・休暇12.8%)。有給休暇の抑制と、「うちの会社には有給はない」といった非正規労働者に対する「嘘」がある。非正規は労働組合に入れない、相談にも乗ってくれない。

2.労働者の精神的、肉体的疲弊のいくつかの事例
 仕事はあるが人手不足(低賃金、きつい仕事)。職場全体が余裕をなくしている。丁寧な指導やフォローができない、そのことが言葉の暴力や退職強要、心の病につながっている。パワハラ等に関する厚労省通達が機能せず、会社がちゃんと対応してくれない。労働組合に相談したら会社に筒抜けになっていて、職場では誰にも相談できない。

3.心や体の健康問題。非正規の職員が現場の責任者に(職場に起こる弊害)
 各年代に現れる状況の他、残業が多く、上司には「早く仕事を終わらせろ」と言われ、このままでは健康診断を受けないといけなくなるので残業を減らして書くように言われている。「減らして書かないとみんなの迷惑になる」とも言われている。人手不足などの理由から会社が退職を認めない、といった事例もあります。また、飲食チェーン店などでは「アルバイト店長」がよく見られ、非正規の職員が現場の責任者になっていることも多くあります。
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【メンタル疾患が治療につながらない現実】
 メンタルに関する相談で相談者が家族の場合は真剣で、妻、親の立場から「主人が深夜に帰宅、休みもない」とか「息子が寝ておらず心配だ」などがあります。その場合、睡眠や食事はどうしているのかと問いかけ、必要に応じて受診を勧めるとのことです。その際、傷病手当金などの制度を紹介し、まずは療養を勧めています。ところがこれが本人だと雰囲気は違います。心の病であると診断されるのを恐れているのか、体調不良を指摘しても「そういう気持ちで相談してない」と電話を切ったりするそうです。こうした傾向は中高年の特徴です。また、相談者の中には医師の診断を受け、休養するよう言われていても、「迷惑がかかるから休めない」という相談者もいます。なぜかというとこれまで述べたように、会社に人的な余裕がない。現場責任者が非正規の所では責任者自身が休めないという状況にあります。会社側は「急に辞められると困る」「次の人が見つかるまでは」などと言って、「体調不良で退職する」という労働者に対して引き留めにかかります。こういう人は真面目なので、会社に言われるがまま、「次が見つかるまで」と頑張るのですが、会社は真剣に考えておらず、後任の募集をしないので結局、「いつまでも辞められない」となるのです。

【大企業職場でのリストラのやり方】
 こうした人手不足などからくる長時間過密労働、メンタル問題、退職トラブルとは違った相談が多いのが、いわゆる大企業職場です。最近の特徴として、解雇・リストラ、あとは知らないというやり方は行わず、再就職先を斡旋しておいて、責任逃れをするケースがよく見られます。また、これらのケースは、大企業同士が示し合わせて、再雇用した上で自主退職に追い込もうとしているかの印象を受けます。

【結論として考えること】
 職場には、労働者の権利と生活、健康と安全を守るための砦として、労働組合が何よりも必要だと思います。そして同時に安全委員会、衛生委員会など職場のメンタル問題を含めた労働安全衛生をチェックする組織の必要性も痛感します。労働者の中には「うちの会社には有休はない」という会社の言葉と併せて、健康診断がないことに何の疑問を持たない方もおられます。労働安全センターとしてその点を指摘すると、「私はパートだから」とか、「社長がそう言っている」というふうに、会社の言葉を鵜呑みにされている労働者がおられます。そうした背景には、まともに働く職場がない、まともに生活できる賃金がない、などの労働環境、雇用環境が影響していると思います。そうであるからこそ、労働組合や労働安全衛生に関する組織が職場にあり、十分な機能を果たしていくことが何よりも大事だと思います。そして同時に、その機能を果たす上で見逃してはならないのが、「派遣労働者をはじめとした非正規労働者の権利と生活、健康と安全」にもしっかり配慮できる労働組合であり、労働安全衛生に関する組織の果たすべき真の役目ではないかと思います。(終わり) 
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